Home
□ 越後湯沢全国童画展出品
□ しんわ美術展出品
□ オルセー美術館展
□ 上野の森美術館「日本の自然を描く」展
□ ホワイトキューブ「第6回小さなユートピア」展
□ 石阪春生展
□ 藤田嗣治展
□ 鴨居玲展
□ 加山又造展
□ デルヴォーとマグリット
□ オランダ絵画の黄金時代−アムステルダム国立美術館展
□ デ・キリコ展
□ クールベ美術館展
□ 詩と幻想の画家〜ギュスターヴ・モロー展
□ ゴッホ展〜孤高の画家の原風景〜
□ 高槻のぶ子展〜静けさの中にひそむ気配〜
□ 村上華岳展
□ 葛飾北斎展
□ ドレスデン国立美術館展
□ フィレンツェ−芸術都市の誕生展
□ 栄光のオランダ・フランドル絵画展
□ 東山魁夷展〜ひとすじの道〜
□ 魅惑のベルギー美術展
□ ゴヤ4大連作版画展
□ 宮沢賢治展
□ カレル・ゼマン レトロスペクティヴ
■ 越後湯沢全国童画展出品、入選 ■
2007年3月3日(土)〜2007年3月12日(月)
湯沢町公民館ホール
10:00 〜22:00
「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった。」という川端康成の「雪国」の冒頭の一文で有名なこの町で、全国童画展が毎年開催されているなんて昨年暮れまで全く知りませんでした。
出品作は、ある朝突然に山々が霜で白く覆われた姿に、毎年のことながら驚く白狐を描いた作品です。未だ訪れたことがないこの町に、いつか必ず行ってみたいと願って作品は寄贈させていただきました。町と作品に会いに行ける日が楽しみです。
■ しんわ美術展出品、入選 ■
2006年11月3日(金)〜2006年11月12日(日)
津山市文化展示ホール(アルネ津山4F)
10:00 〜18:30
出品作は孔雀の羽を重なり合わせて色彩のオーケストラを奏でたかったのですが、力不足のため拡がりも奥行きもなく、試み半ばの未完成作となってしまいました。
■ オルセー美術館展鑑賞 ■
2006年9月29日(金)〜2007年1月8日(月)
神戸市立博物館
10:00 〜18:00
印象派の画家の作品が数多く収蔵されていることで有名なオルセー美術館ですが、今回目にとまった作品はナビ派の画家ヴァロットンの「ボール」でした。光と陰のコントラストが鮮明で、印象派の色彩に比べれば単純で、構図も大胆ですっきりとしています。日だまりでボールを追う少女を俯瞰的に描き、木立の遙か向こうには少女の両親と思しき二人の白い立ち姿が小さく浮かび上がって見えます。色彩もテーマも明るく暖かいのですが、空間の有り様がどことなく不安感を誘います。少女が追いかけている赤いボールは異次元への誘いのように感じるのは私だけでしょうか。
■ 上野の森美術館「日本の自然を描く展」に出品、入選 ■
西日本展(兵庫県立美術館原田の森ギャラリー)
2006年9月21日(木)〜2006年9月24日(日)
上野の森美術館
10:00 〜18:00
■ ホワイトキューブ「小さなユートピア」展に出品 ■
2006年9月4日(日)〜2006年9月9日(日)
ホワイトキューブPB
11:00 〜19:00
■ 石阪春生展鑑賞 ■
2006年5月20日(土)〜2006年7月30日(日)
小磯記念美術館
10:00 〜17:00
神戸に住んでいると、その作品を割と目にする機会の多い画家ですが、今回はこれでもか、というくらい石阪春生を鑑賞できました。大学生の頃アルバイトをしていたカフェの外壁にこの作家の壁画が描かれていました。この壁画が気に入って応募した記憶があります。
色調とモチーフに西洋中世の雰囲気が濃密に漂い、華麗でアンニュイな女性(多くは横顔)が、ほぼ画面いっぱいに描かれています。女性に重なるように纏い付くように配置されたオブジェ群の織り成す光景が渇いた風景のようです。100号以上の画布に何枚も、これでもかこれでもかと同じような画面が展開されていました。描いていて飽きないのかな、なんて単純な疑問を感じてしまいましたが、好きなモチーフは何度でも繰り返し描いても飽きることはなかったのでしょう。画家の執念のようなものさえ感じてしまいました。
■ 藤田嗣治展鑑賞 ■
2006年5月30日(火)〜2006年7月23日(日)
京都国立近代美術館
9:30 〜17:00
「乳白色の肌」は是非肉眼で見てみたい、とかねてより切望していました。想像に違わずその肌の輝きは素晴らしいものでした。透き通り、滑らかで、指で押すとしんなり、しっとりした弾力で窪みそうです。画布の下地に薬品を混合させた絵具を塗布したとか聞いたことがありますが、確かに藤田の絵は油絵具を塗り重ねるというよりは、薄く、あるいは細く、幾重にも削り落としていくといった感じがしました。
自画像、あるいはアトリエを描いた作品の中で、筆立てに挿されている筆はどれも日本画の面相筆でした。あの繊細な筆で、重厚な油絵具を操るのは相当な技量かと感服するばかりです。しかも喧伝された奇行や、奇抜な風貌からはちょっと結びつき難い優美でしなやかな色合いと線描に、改めてこの作家の力量を見せ付けられました。
原色で描かれたダイナミックで力強い南米での作品や、重く暗い色調の戦争画などは、全く趣を異にしていますが、やはりそれらも藤田の真骨頂を見るに足る非常に見ごたえのある作品群で、確かな力量がそこにも感じられました。
晩年に多く描いた子供たちの絵は、ずるそうで底意のありそうな子供たちの表情が何ともいえない妖しい雰囲気ですが、画家の子供たちへ溢れる愛情も伝わってきます。
■ 鴨居玲展鑑賞 ■
2006年1月28日(土)〜2006年3月26日(日)
神戸市立小磯記念美術館
10:00 〜17:00
生活と創作の拠点が神戸だった地元ゆかりの画家ですが、これまで名前しか知らず作品に触れる機会がありませんでした。自宅よりすぐ近くの小磯記念美術館で開催されていると聞いて、いそいそ出かけました。
さすがに安井賞受賞画家らしい独創的な作風でした。ただし、ある時期までは。「祈り」「月と小人」などは、訴える力も強く斬新さもケレン味がなく、個人的にも好感の持てる出来栄えですが、次第に才能が枯渇していくような、これ見よがしな作品が多くなり、観るに忍びないような暗い気分になりました。
■ 加山又造展鑑賞 ■
2006年3月8日(水)〜2006年3月20日(月)
大丸ミュージアムKOBE
10:00 〜19:00
会場に入ってすぐに展示されている、15歳で描いた「狐」の絵に先ず驚きました。「うーん」って唸ってしまいました。さらに続くキュビズムの手法で表現された作品群にも圧倒されました。草や波などを表現する縞模様に、決して妥協しない強い意志を感じました。計算された構成美を背景にデフォルメされた動物たちの優美な姿態、私としては眼からうろこの衝撃でした。
全ての作品の繊細かつ大胆な技量にも脱帽です。構図は大胆なのに、技法はどこまでも繊細で、どの絵も、画面の隅々まで神経が行き届いています。どこまでものびやかで正確な筆致は、画面のどこをしげしげ見ても油断がありません。判子で押したように整然と散りばめられた花びらも、よく見るとどれも少しずつ違います。やはりどの作品にも、幼い頃より見慣れた生家の西陣織の様式美、伝統が息づいているように感じられました。
「おぼろ」「凍れる月光」「華扇屏風」など、どれも幅2m以上の屏風絵ですが、その画面を支配する気迫と華麗さに引き込まれます。中でも「牡丹」(上)には思わず見入ってしまいました。誇張した表現の黒と白の花弁が、揺蕩うように咲き乱れ、妖艶さを競っているかのようです。
■ デルヴォーとマグリット鑑賞 ■
2006年1月28日(土)〜2006年3月26日(日)
姫路市立美術館
10:00 〜17:00
デルヴォーとマグリットは共にベルギーの画家で、年齢も1歳しか違わず(デルヴォーは97歳まで生きましたが、マグリットは69歳で亡くなっています)、同じ時期にアカデミーに通っていたそうです。デルヴォーの作品の神秘的な妖艶さと、マグリットの作品の明晰な不条理は、どちらも見る者を不思議な気持ちにさせます。決して現実には有り得ない世界に、私は引きずり込まれたい欲望を抑えきれなくなるほどです。けれどもどちらの作品も、私にそのような欲望を抱かせながら、画布の表面できっぱり私を拒絶するのです。それはどちらも遥かな夢の桃源郷で、「おまえにはこの世界のからくりは見せられないんだよ」とせせら笑っているようです。それほどに私には魅力的ですが、遠い世界です。ああ、悔しい。
デルヴォーの「海は近い」(上)を、画布に触れんばかりの至近距離で舐めるように観察させていただきました。思わせぶりにそこかしこに佇んだり、ベッドに横になっている美女たちはともかく、待合室のように開けっ広げであったり、奥行きのほとんどない薄っぺらな家々や、光の射し方−方向とその強弱、影の出来具合・伸びる方向など、見れば見るほど不可解で興味が湧きます。恐らくほとんど意味はないのだと思います。ただ、画面左寄りの後姿の美女が、まっすぐ向こう(画面の奥の方)を見、その方向に歩んで行こうとしている先には画題にしているように、確かに海があるのです。それこそが唯一のテーマなのだと、私は思います。
■ オランダ絵画の黄金時代−アムステルダム国立美術館展鑑賞 ■
2005年10月25日(火)〜2006年1月15日(日)
兵庫県立美術館
10:00 〜18:00
オランダといえば、昨今大人気のフェルメール。ということで、この展覧会も目玉はフェルメールの作品「恋文」でした。たしかにフェルメール独特の構成美、光の扱い方はさすがと思われましたが、どうもモデルの表情が魅力に欠けるのでしょうか?いまいち人気がありませんね。
それよりも一等目を引いたのはピーテル・デ・ホーホの「子供の髪から虱を取っている母親のいる室」(右)でした。殺風景なまでにすっきり片付いた室内の茶色、奥の窓から差し込む柔らかな陽射しの色、その陽の射す方向を向いてじっと座り込んだ犬の黒いシルエット、そして薄暗い室内に浮かび上がる母親の上衣の鮮やかな赤…それらの色使いが清潔感を漂わせ、裕福ではないけれど射し込む光の清清しさや、升目にきっちり描かれたタイル模様に、真面目で慎ましい庶民の暮し振りが表現されています。
■ 巨匠 デ・キリコ展鑑賞 ■
2005年9月14日(水)〜10月2日(日)
大丸梅田店・大丸ミュージアム
10:00 〜19:30
キリコの絵画を見るのは2度目です。前回もやはり梅田大丸ミュージアムでした。前回は、初期の「イタリア広場」シリーズが中心だったと記憶していますが、今回は後期の作品が数多く、図版などでも見たことのない作品がたくさんありました。卵形の器械顔の人物がこれでもかこれでもか、と繰り返し描かれていますが、それがとてもクールでシャープで、つまりそれほど計算された色と線で構成されていると感じました。
キリコの作品の世界は孤独感に溢れています。彼の作品の前に立つと、静謐な不安、緊張した安息、解放された恐怖、見慣れない親しみ、等々の幻惑を抱くのですが、これが形而上というものでしょうか。例えば「ユリシーズの帰還」(上)。明るく整然とした室内、家具もかわいらしくそれぞれの場に納まり、ユリシーズの漕ぐ船が浮かぶ大海原は絨毯となって床一杯に広がっています。しかし部屋の遠近法はわざと部分的に不正確に用いられ、左右に配置された椅子は全く対照的な風体です。船の進もうとしている先には、半開きに開けられた扉があってそこから不安げな闇が覗いています。見る者に安らぎと不安という相反する感情を同時に抱かせ、そのせめぎ合いの緊張感が底知れない快感へと誘うのです。
■ クールベ美術館展鑑賞 ■
2005年9月15日(木)〜9月27日(火)
大丸京都店・大丸ミュージアム
10:00 〜18:00
クールベの重厚で写実的な絵画を、生で初めて鑑賞しました。どの絵も(特に風景画)色といい構図といい沈着静謐な印象で、特に「シヨン城」(上)は期待に適う美しさでした。
知らなかったのですが、クールベって意外と反骨精神旺盛な方だったようで、当時の古典絵画に対して彼のリアリスムで果敢に挑戦し続けたり、パリ・コミューンに参加して投獄され、ナポレオンの記念碑を破壊した首謀者として、スイスへ亡命してからもその賠償金の返済に追われ続けていたそうです。もっともその時は画家としては大成し、多くの弟子達に描かせた絵を「クールベと○○」という作者名で売り、その代金を返済に充てていたようです。
■ 詩と幻想の画家〜
ギュスターヴ・モロー展鑑賞 ■
2005年6月7日(火)〜7月31日(日)
神戸市立博物館
10:00 〜18:00
待望のモロー展。実物を見るのは初めてです。もうずっと前からわくわくしていました。今回の美術展は、モローのアトリエだった自宅をそのまま美術館にしたモロー美術館の全面的な協力により開催されたと聞いていたので、とても期待していたのですが、残念ながら多くの見たいと思っていた作品は展示されていませんでした。例えば「ナイル川に捨てられらたモーセ」(上左)や「ヘロデ王の前で踊るサロメ」(上右)。モローのアトリエには膨大な数の作品が残っていたそうですが、個人や他の美術館の手に渡った作品も多く、上の2点も前者はアメリカ、フォッグ美術館に、後者はロサンジェルス、アーマンド・ハマー・コレクションとなっています。
で、今回の展示作品は習作が多いようでした。モローは作品を制作するにあたって何枚ものスケッチや習作を描いていました。アトリエに夥しく残されていた作品の多くは、そんなスケッチや習作だったのでしょう。
しかし「岩の上のサッフォー」や「出現」のようなモロー独特のきらびやかな水彩画−ユイスマンスが『さかしま』の中で、「いかなる時代においても、水彩画がこれほど絢爛たる華やかさに達したことはないのであった。…織物や肉体の豪奢をこれほど奇蹟的に、これほど眩惑的に誇示したこともない」(渋沢龍彦訳)と讃美した水彩画を目の当たりにできました。水彩特有の繊細さや軽やかさと油絵のような濃厚さや華やかさが重なり合い、零れんばかりの神秘的な舞台表現となっています。
■ ゴッホ展
〜孤高の画家の原風景〜鑑賞 ■
2005年5月31日(火)〜7月18日(月)
国立国際美術館
10:00 〜17:00
ゴッホの作品は、何回かの美術展で数点ずつ鑑賞したことがありますが、今回特に目を惹いたのは「ミリエの肖像」(上)でした。粗いタッチですが、実に丁寧に色が塗り重ねられているのがよくわかります。ゴッホの絵は初期から晩年まで、タッチや色遣いに関しては変化が顕著ですが、きめ細やかな心遣いは終始一貫しています。
今回の展覧会は、ゴッホが模写した浮世絵やミレーの版画、ゴッホが影響を受けたドービニーなどの風景画や、当時刊行されていたゴッホの愛読書と同じ書物の展示などもあり、多角的にゴッホを識るための多く資料が展示されていました。
それにしてもゴッホの絵の大きな魅力である絵の具の厚塗りは、実物でなければ味わえない迫力で、彫刻ではないかとさえ見紛いそうです。
会場となっている国立国際美術館は大阪の中心部、中之島にあり、「完全地下型の美術館」として新築されたそうですが、地上部の硝子張りの建物から地下3階にエスカレーターで降りて行く入場口はルーブル美術館を模したのでしょうか。今回初めて訪れましたが、広々として開放的な美術館でした。
■ 高槻のぶ子展
〜静けさの中にひそむ気配〜鑑賞 ■
2005年5月25日(水)〜5月31日(火)
丸善なんばOCATギャラリー
11:00 〜20:00
水彩画から最近は専ら水墨画を描き続けているという彼女は私の知人で、最終日に駆け込んだ会場でお会いすることができました。墨の自在さ、表現手段としての奥深さを語ってくれました。作品を眺めながら、ためらいのない筆さばきに墨の潔さと怖さを感じました。
■ 村上華岳展鑑賞 ■
2005年4月12日(火)〜5月22日(日)
京都国立近代美術館
9:00 〜17:00
圧倒的に数多い「観音図」(右図:「観世音菩薩図像」)は皆品があり、祈りの静かな息遣いが伝わってきます。中でもその原型ともいえる「裸婦図」は圧巻です。中央の人物とその横に描かれた蓮の花葉を形作る線描は繊細で伸びやかです。そのため絵全体が優美で気高く、また同時に官能的でもあるという幻想的な妖しさを漂わせています。ただし、これらに比して背景の粗雑さにちぐはくな印象を感じてしまいました。この絵の背景のようなとても拙劣としか思われないような風景画、南画、水墨画が数多くあって、それらには正直がっかりでした。
■ 葛飾北斎展鑑賞 ■
2005年4月2日(土)〜5月8日(日)
姫路市立美術館
9:00 〜17:00
津和野にある葛飾北斎美術館の所蔵作品と欧米からの帰国作品併せて200余点が展示されていましたが、北斎の多彩な天才振りに改めて感動しました。90才まで生き、その前年に制作した最後の作品など、とても89才の手になるものとは思われない緻密さで描かれています。若い頃から最晩年に至るまで、常に保たれていた創作意欲と技量と独創性に感服。右の絵は肉筆画ですが、このような繊細で鮮やかで、対象物の奇妙な取り合わせが面白い肉筆画もたくさん展示されていました。
■ ドレスデン国立美術館展鑑賞 ■
2005年3月8日(火)〜5月22日(日)
兵庫県立美術館
9:00 〜17:00
1999年から2000年にかけ、日本を幅広く紹介する行事「ドイツにおける日本年」がドイツで開催され各地で好評を博し、ドイツがこれに呼応する形で「日本におけるドイツ年2005/2006」を開催する運びとなり、この展覧会もその一環だそうです。
16世紀以来収集されたというこの美術館のコレクションは、今回の展示はその一部であるとはいえ、測量機器から地球儀、天球儀、絵画、刀剣、宝飾品、陶磁器全てが多彩であり、華麗で重厚でした。また展覧会の目玉ともなっているレンブラントの「ガニュメデスの誘拐」やフェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」も見応えのある大作で、特に私がその特異な美しさに感動したのはフリードリヒの「月を眺める2人の男」(上)でした。
■ フィレンツェ−芸術都市の誕生展鑑賞 ■
2005年1月29日(土)〜4月10日(日)
京都市美術館
9:00 〜17:00
14世紀から18世紀にかけて商業と銀行業で多大な富と権力を得たメディチ家の繁栄により、豊かに花開いたフィレンツェの芸術。今回の展覧会は「フレスコ画・板絵・カンヴァス画などの絵画、レリーフ・木彫・貴石作品などを含む彫刻、貴金属・ブロンズなどを含む金工作品、写本・細密画、織布作品、科学発明品など、100余点の出品」とのことですが、ちょっと物足らない内容でした。フィレンツェといえば、ウフィツィ美術館を初め世界有数の美術館があり、また「屋根のない美術館」と称されるように、町そのものが芸術作品でもあるような都市です。展覧会のタイトルとは裏腹に貧弱な内容だったとの印象を持ったのは私だけでしょうか?
■ 栄光のオランダ・フランドル絵画展鑑賞 ■
2004年7月17日(土)〜10月11日(月・祝)
神戸市立博物館
9:00 〜17:00
この展覧会の目玉はもちろんフェルメールの「画家のアトリエ」だが、むしろ他の16〜17世紀の絵画の中に意外と現代的で斬新な絵画を見つけました。
例えばサイフェ(父)の「野菜市場(7月と8月の寓意)」(上)は、真夏の日射しの陰影を強調して、主役である野菜はもちろん全ての物がくっきりと鮮やかに描き出されています。当時では、今で言う「ヘタウマ」だったかもしれないと思わせるほどの不自然な印象です。そして、陽の当たる明るい野菜市場の店先とは裏腹に、店の奥の真暗闇の中にまっ黒な衣装の人物が俯いて立っているのが、この絵の明るい主題と対比され、何か不吉な雰囲気がそこに凝縮されています。
またボルフ「林檎の皮をむく女性」も、母親らしき女性の顔を覗き込む愛らしい少女の表情と、対照的な沈痛な面持ちの母親らしい女性の表情が不思議な印象を与える絵でした。
フェルメールの「画家のアトリエ」は想像していたより地味で暗い絵でした。と、感じたのは、展示室の照明があまりに暗かったせいかもしれません。この絵は1点だけ別室に展示されていたのですが、その部屋の照明の暗さは特別でした。絵画の保護のためとはいえ、暗過ぎです。ところで、この作品の画面の主役はあきらかに画家自身ですね。
■ 東山魁夷展〜ひとすじの道〜鑑賞 ■
2004年4月3日(火)〜5月23日(日)
兵庫県立美術館
9:00 〜17:00
昨年唐招提寺を訪れたときに、夕立の予兆の薄暗がりの中で障壁画を観ましたが、それ以外実物を観る機会は今回が初めてです。写真で馴染みの作品も、実物は随分表情が違っていました。画肌に対する丁寧な工夫をまじまじと観察してきました。
■ 魅惑のベルギー美術展鑑賞 ■
2004年1月6日(火)〜3月28日(日)
姫路市立美術館
9:00 〜17:00
当館のベルギー・コレクションは今まで何度か観ましたが、今回は
大原美術館
所蔵作品を加え、クノップフやデルビル、デルヴォー、マグリットなどベルギー美術を特徴付ける象徴主義の作品の数々を観ることができました。クノップフの、結局天井に飾られることのなかった淡い色調の天井画など、珍しい作品もありました(右)。
■ ゴヤ4大連作版画展鑑賞 ■
2004年11月8日(土)〜12月23日(火)
姫路市立美術館
9:00 〜17:00
「気まぐれ」「戦争の惨禍」「闘牛技」「妄」の各版画集計約300枚を展示。今まで姫路美術館所蔵は「気まぐれ」のみ第9版で、他は全て初版だったそうですが、新たに「気まぐれ」の初版を所蔵することとなり、今回の一挙展示の運びとなったとか。「気まぐれ」は初版と第9版とを並べての比較展示で、色、鮮明さの相違が一目瞭然でした。
それにしてもゴヤの偉業にはあらためて感嘆させられました。エッチングやアクアチント、メゾチントなどの技法を駆使し、繊細かつ力強い描線で、人間や牛の動きのある姿態を描いています。死体でさえ、たった今まで生きていたかのように生々しく、闘牛の臨場感には圧倒させられました。
■ 宮沢賢治展に出品 ■
2003年11月22日(土)〜11月30日(日)
新神戸オリエンタルアートアベニュー2F
「ギルド&アンティーク スクエア」内
画廊:
ギャラリー セカンド グレイス
平日 11:00〜21:00
土・日・祝日 10:00〜21:00
■「カレル・ゼマン レトロスペクティヴ」鑑賞 ■
2003年11月22日(土)〜11月26日(水)
毎日13:30〜21:30頃
神戸アートヴィレッジ
チェコの映像作家 カレル・ゼマンの映画を観ました。今回、7日にわたって上映されたのは短編長編合わせて13編。その中で私が観たのは、「盗まれた飛行船」(1966年製作)と「水玉の幻想」(1948年製作)、「ホンジークとマジェンカ」(1980年製作)の3作。
実写と切り紙アニメや人形アニメとの合成を駆使したおもちゃ箱をひっくり返したような愉快さ、少年の心のままのファンタジーと奇想天外なストーリー展開の「盗まれた飛行船」。チェコの代表的工芸品、ガラス細工を巧みに動かし、透明で繊細な幻想の世界を美しく表現した「水玉の幻想」。民話を元に、哀愁を漂わせる美しい切り絵と澄んだ音楽で描かれた愛と冒険のアニメ、「ホンジークとマジェンカ」。それぞれ趣きが異なりながら、どれも素晴らしく、その映像的センスに心酔しました。
----------------------------------------------------
このHPに関するお問い合わせ・御感想等は
こちら
までお願いいたします。
Copyright(C) Kawasaki Taka All rights reserved