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□ 夢見るフランス絵画
□ 美の跫音 堂本印象が旅した風景 □ ターナー展
□ プーシキン美術館展 フランス絵画300年 □ 加古 隆 40th アニバーサリーピアノコンサート
□ 宮沢賢治 詩と絵の宇宙 □ エミール・クラウスとベルギーの印象派
□ ボストン美術館 日本美術の至宝 □ ゴッホ展 空白のパリを追う
□ 大エルミタージュ美術館展 □ 高槻のぶ子展「PASSING」
□ バーン・ジョーンズ展 □ 世界の絵本作家展
□ ピサロと印象派 □ ワシントン・ナショナルギャラリー展
□ パウル・クレー展 □ 大英博物館 古代ギリシャ展
□ 小磯良平大賞展 □ 萌え画
□ 高槻のぶ子展「正方形の実験」 □ 国画会神戸作家展
□ 関西国展 □ 県展
□ フランダースの光
−ベルギーの美しき村を描いて
□ ボストン美術館展−西洋絵画の巨匠たち
□ 美しき挑発 レンピッカ展 □ トリノ・エジプト展
−イタリアが愛した美の遺産
□ 熊田千佳慕展 □ 光陽展
□ ボルゲーゼ美術館展 □ ジブリの絵職人 男鹿和雄展
□ 現代童画展 □ 絵が生まれるとき
−洋画家たちの油彩とデッサン−
□ 天龍寺法堂天井「雲龍図」 □ ラウル・デュフィ展
□ イタリア ボローニャ国際絵本原画展 □ ルーブル美術館展
□ ウィリアム・モリス展 □ ピカソとクレーの生きた時代展
□ ベルギー近代の美術展 □ 田淵俊夫展
□ ウィーン美術史美術館所蔵静物画の秘密展 □ コロー展
□ 青のコレクション展 □ シャガール展
□ 県展 □ 昭和美術会展
□ ペルセポリス □ プラネタリウムデジタル映像
「銀河鉄道の夜」
□ 越後湯沢全国童画展 □ しんわ美術展
□ オルセー美術館展 □ 上野の森美術館「日本の自然を描く」展
□ ホワイトキューブ「第6回小さなユートピア」展 □ 石阪春生展
□ 加山又造展 □ デルヴォーとマグリット
□ オランダ絵画の黄金時代
−アムステルダム国立美術館展
□ デ・キリコ展
□ クールベ美術館展 □ 詩と幻想の画家
〜ギュスターヴ・モロー展
□ ゴッホ展〜孤高の画家の原風景〜 □ 高槻のぶ子展〜静けさの中にひそむ気配〜
□ 村上華岳展 □ 葛飾北斎展
□ ドレスデン国立美術館展 □ フィレンツェ−芸術都市の誕生展
□ 栄光のオランダ・フランドル絵画展 □ 東山魁夷展〜ひとすじの道〜
□ 魅惑のベルギー美術展 □ ゴヤ4大連作版画展
□ 宮沢賢治展 □ カレル・ゼマン レトロスペクティヴ


百合■ 夢見るフランス絵画■
      
2014年4月12日(土)〜2014年6月1日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00〜18:00             

 私にとって、あまり興味が持てなさそうな展覧会ではありましたが(ポスターのルノワールが大嫌いということもあり)、中には強く心惹かれる作品もありました。特にキスリングの「百合」。鮮やかな色、こってりくねくねした筆致。写真では何度か見て、その濃く魅惑的な表現に興味があったのですが、実物を初めて観て大好きになりました。       
キスリング展って来ないかなぁ。

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堂本印象美術館       
モンマルトル■ 美の跫音 堂本印象が旅した風景■
      
2013年12月4日(水)〜2014年3月30日(日)       
堂本印象美術館       
9:30〜17:00             

 −1952年ローマ・パリ・フィレンツェ−とのサブタイトル通り、印象が1952年にヨーロッパを訪れた際のスケッチと、帰国後製作された作品を中心の展覧会。       
 堂本印象と言えば日本画家だと思っていました。が、右のようなデュフィ風の軽いタッチの油彩からガウディ風の装飾性に溢れるオブジェまで多彩な作品を手がけたマルチな美術家だったのだと知りました。何と言っても、この美術館のデザインも自ら手がけたということで、ぱっと人目を引く外観(写真右)は斬新そのものでした。

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レグレス■ ターナー展■
      
2014年1月11日(土)〜4月6日(日)       
神戸市立博物館       
9:30〜17:30             

 日本でターナーの展覧会が開催されるのは極めて希です。テート美術館が出し惜しみをしているのでしょうか。ともあれこんな機会はめったにないので、記念講演会もあることですし、開催初日に行きました。       
 「英国最高の風景画家」と称されるだけあって、壮大な風景画には圧倒されました。「チャイルド・ハロルドの巡礼−イタリア」や「雨、蒸気、スピード−グレート・ウェスタン鉄道」などの絵画にみられるように、ただ美しいだけではないインパクト(ケレン味のない)のある風景画にターナーの凄さを感じました。 右の「レグレス」も、「敵国カルタゴの捕虜となり、まぶたを切られ、陽光で失明したローマの将軍レグルスの逸話を描き」「レグルスが見たであろうまばゆい光を表現するため」に描いたと説明にありましたが、正面に射す光の強烈さは圧倒的です。しばし魅入ってしまいました。

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フランソワ・ブーシェ「ユピテルとカリスト」■ プーシキン美術館展 フランス絵画300年■
      
2013年9月28日(土)〜12月8日(日)       
神戸市立博物館       
9:30〜17:30             

 ロシアの大商人や貴族などの富豪によってコレクションされたフランスの名画の数々は、ロシア革命の後国有化されて、このロシアの国民的詩人プーシキンの名を付けた美術館に収蔵されたそうです。       
 ゴッホの「医師レーの肖像」やゴーギャン「エイアハ・オヒパ(働くなかれ)」、ルソー「詩人に霊感を与えるミューズ」など、図録などでもあまり観たことのない作品もありました。

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パンフレット■ 加古 隆 40th アニバーサリーピアノコンサート■
      
2013年6月15日(土)       
大阪:いずみホール       
15:00会場             

 感動の組曲「パリは燃えているか」を初めて生で聴きました!あの帽子を着用した独特のダンディなスタイルで淡々と弾いていました。このような素晴らしいメロディが、あの飄々淡々とした小柄で細身の身体のどこから溢れてくるのでしょうか。       
 隣の席の男性の方が彼の高校時代(豊中高校)の同級生とやらで、当時のクラスメートこぞって応援に来ているのだそうです。彼は、近年病気で少々弱っていたそうですが、復活したと喜んでおられました。楽しそうに、演奏後楽屋にみんなで押しかけるのだと言っていました。

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チラシ■ 宮沢賢治 詩と絵の宇宙■
      
2013年4月12日(金)〜2013年5月26日(日)       
姫路文学館       
10:00〜17:00             

 没後80年を記念して全国で開催されているそうです。様々な画風の画家たちによる賢治作品の絵本がたくさん陳列されていました。これほどまでに画家たちのイメージを膨らませる賢治童話の豊かさに、改めて敬服いたしました。
 関連イベントの「賢治の音楽会」も鑑賞しました。ソプラノ歌手の林裕美子さんの歌と、ちょうど賢治生存の頃のようなアンチークなオルガン(姫路野里教会所有。国内に4台しか確認されていないスミス・アメリカ製だそうです。)の伴奏でした。その音色に心地よく眠ってしまいました。

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エミール・クラウス「昼休み」エミール・クラウス展■ エミール・クラウスとベルギーの印象派■
      
2013年4月20日(土)〜2013年5月26日(日)       
姫路市立美術館       
10:00〜17:00             

 ベルギー美術は大好きで、ここ姫路市立美術館を始めとして、機会が有る毎に美術展を鑑賞していますが、エミール・クラウスの作品を観るのは2度目です。印象派らしい光の表現が巧みです。
何でもない農村風景、そこに生活する女性や子供たちの日常の様子が、極々自然に描かれていて好印象です。「ルミニスム(光輝主義)」を唱えるベルギー印象派の中心人物だったそうです。
 因みに、描かれている人物や描き方、視点、全体の印象などから、作者は女性かと思っていたのでしたが(私が勝手に)、男性でした。

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尾形光琳「松島図屏風」■ ボストン美術館 日本美術の至宝■
      
2013年4月2日(火)〜2013年6月16日(日)       
大阪市美術館       
9:00〜17:00             

 フェノロサや岡倉天心によって収集されたボストン美術館の日本美術、中でもあまり日本人に知られていなかった曽我蕭白の「 雲龍図」をはじめとする作品群は、迫力と勢い、洒脱さで群を抜く秀逸さでした。
 また、尾形光琳の「松島図屏風」、光琳ならではのモダンとも言える岩と波の色彩と造形の美しさ、新しさには驚きました。

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耕された畑■ ゴッホ展 空白のパリを追う■
      
2013年4月2日(火)〜2013年5月19日(日)       
京都市美術館       
9:00〜17:00             

 弟テオと同居していたため書簡が残っていないパリ時代とそれ以前の作品が多いため、日本未公開作品が中心とはいえ、ゴッホらしい作品も作品数も少なく魅力に乏しいゴッホ展でした。

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ブーシェ「クビド(絵画の寓意)■ 大エルミタージュ美術館展■
      
2012年10月10日(水)〜2012年12月6日(木)       
京都市美術館       
9:00〜17:00             

 装飾品や工芸品など約300万点もの作品を収蔵するエルミタージュ美術館。今から約250年前に女帝エカテリーナ2世が収集をはじめ、ロシア帝国が威信をかけて集めた作品群からなるそうです。
 以前TVで、エルミタージュの地下に住み着いている猫たちのことを放映していました。その昔、美術作品をネズミから守るため集められた猫たちの子孫です。彼らは特別に寝床とえさを与えられ、今でもれっきとしたエルミタージュの護衛兵だそうです。

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Passing■ 高槻のぶ子展 PASSING 過ぎ去るもの−漆喰とアクリルの表現■
      
2012年10月21日(日)〜2012年10月27日(土)       
大阪現代画廊       
10:00〜18:00             

 「写実の中の挙行は、はるかな時間や記憶を呼び覚まし、私はそれを脳が旅する絵画とよんでいます。」(案内ポストカードより)

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《眠り姫》−連作「いばら姫」■ バーン・ジョーンズ展−英国19世紀末に咲いた華−■
      
2012年9月1日(土)〜2012年10月14日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00〜18:00             

 ギリシャ神話や中世文学の世界を装飾的に描き出した大画家バーン・ジョーンズの大作を堪能しました。華麗、荘厳、繊細、甘美な幻想的世界に酔いしれました。

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チリとチリリ■ 世界の絵本作家展V 絵本の世界へ旅しよう ■
      
2012年6月30日(土)〜2012年9月2日(日)       
姫路市立美術館       
10:00〜17:00             

 絵本の大好きな花ちゃんと出かけました。どの絵本原画も独特のお話空間を表現していて魅力的でした。絵本はもはや大人の鑑賞にも耐えなくてはならないというようなものではなく、積極的に芸術作品でなくてはならないと思うのは奢った考えでしょうか?

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ピサロ「昼寝、エラニー」■ ピサロと印象派 ■
      
2012年6月6日(火)〜2012年8月19日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00〜18:00             

 日常の風景や光景を点描で見事に表現しています。光も陰もこれだけ効果的に描ける点描の威力を再認識。間近で鑑賞すると汚らしくさえ見える画面が、少し離れて観ると全体が生き生きとして見える不思議さも点描画ならではです。ピサロの並々ならぬ努力と工夫を肌で感じることができました。

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マネ「鉄道」■ ワシントン・ナショナルギャラリー展 ■
      
2011年9月13日(火)〜2011年11月27日(日)       
京都市美術館       
9:00〜17:00             

 ワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵品とその収集のための資金はすべて、一般市民への寄贈からなるらしい。さすが寄付の国ならではです。珠玉の作品が多数ありました。

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パウル・クレー展■ パウル・クレー〜おわらないアトリエ ■
      
2011年3月12日(土)〜2011年5月15日(日)       
京都国立近代美術館       
9:30〜17:00             

 やっぱり素晴らしい!複雑で深みのある色合いを幾何学的に配することで軽妙な色調を醸し出しています。画面構成も計算され尽くしているからこそ、不安定そうな微妙なバランスが絶妙です。
 クレーの制作過程をも展示する今回の展覧会では、改めてクレーの偉大さに触れることができました。切ったり貼ったり、分離させたり合成させたり…様々な工夫を凝らして仕上がる造形美。一朝一夕に出来るものではないのだと知りました。

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古代ギリシャ展■ 大英博物館 古代ギリシャ展 ■
      
2011年3月12日(土)〜2011年6月12日(日)       
神戸市立博物館       
9:30〜17:00             

 人間の身体こそ美の極致だと認識していた古代ギリシャ人。肉体美を競った古代ギリシャならではの身体造形表現は精巧で力強い。古代オリンピックでは、競技者は皆全裸で参加し、観戦者は、競技者の強さよりもその躍動する肉体の美しさを賞賛したとか。
 日本初公開と言われる「円盤投げ」は、360度鑑賞できるよう展示されていましたが、その造形の美しさ、完成度の高さに感服、惚れ惚れしました。この作品が大好きだった三島由紀夫は、「1個の目的のある円盤とみごとな肉体と、2つながら所有している青年の幸福は完全である」と、モデルへの憧憬を語っています。三島らしい感想です。

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小磯良平大賞■ 小磯良平大賞展 ■
      
2010年11月28日(日)〜2011年1月31日(日)       
小磯良平記念館       
10:00〜17:00             

 当初は2年に一度でしたが、現在は3年に一度の大イベントになっている小磯良平大賞展。なぜ大イベントかというと、大賞の賞金額が1,000万円だからです。そのために自信のある画家たちは、腕によりをかけて制作した作品を出品します。展覧会に行くと、なるほどと唸らせる力作揃いで、とても見応えがあります。 展示作品数は54点と少ないですが、どれもこれも渾身の力を篭めて実に丁寧に描かれています。しかもこの展覧会、入館料が200円ですから、とてもお得で、神戸市に花丸をあげたい気分になります。
 大賞の作品(右)は他の作品群と見比べてかなり異色ですが、これが奇妙なことに、ポスターで見た時は「???」でしたが、実物と間近に対面すると、その何とも言えない不思議な魅力に引きつけられ、気持ちが冴え冴えとさえしてくるのです。審査員の先生方の意見も錯綜したのではないでしょうか?

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指切り■ 萌え画 ■
      
      
萌え画       
            

 少女漫画のイラストの中でも、おたくたちの間で評判の「萌え画」と称されたジャンルがあるのですが、これが今やおたくだけの関心の対象ではなくなっています。とにかく目がやたら大きくて可愛い可愛い女の子の絵ばかりかと思えば、最近はそうでもなく(しかし基本はやっぱり“瞳くりくりきらきら”ですが)結構リアルでシャープな少女(少年もあります)画が多いのです。背景から、服装、髪の毛1本1本まで洗練されたタッチで丁寧に描かれています。で、ちょっと首を突っ込んでみまして、しばらくハマっておりました。描いてはオークションに出したりなんかして多少は売れましたが、未ださっぱりわからない世界なので、もう少し研究しなければ何だかおたくさんに失礼な気がします。

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■ 高槻のぶ子展「正方形の実験」 ■
      
2010年10月24日(日)〜10月30日(土)       
大阪現代画廊       
11:00〜19:00             

 個展タイトルの下に「漆喰とアクリルの表現」「植物や樹木の密度と豊かさを描く」と書かれています。
 いつも新しいことに挑戦する彼女。今回は正方形のキャンバスにこだわり、均等さ故の四方への無限の広がりをそこに追求しているようです。また、下地に漆喰を塗り込め、その堅牢で粗々しい画面に手応えのある表現を獲得しています。常に考え、明確な意図のもとにチャレンジャーである彼女からは見習うことがたくさんあります。

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■ 国画会神戸作家展 ■
      
2010年9月15日(水)〜9月19日(日)       
原田の森ギャラリー       
10:00〜18:00             

 関西国展に出品したものと、もう1点F100号の油彩を出品しました。他の方々の作品は皆、130号やら150号やら大きくて圧倒されてしまいました。立派な上に、もちろん技術的にも優れており、どの作品もその画面から小手先では決して描いていない、気迫のようなものを感じました。自分はまだまだだと痛感させられます。
 いろいろな方からそれぞれに様々な工夫の方法を聞き、感心すると共にまたまた大いに参考になりました。

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■ 関西国展 ■
      
2010年8月18日(水)〜8月29日(日)       
京都市美術館本館       
9:00〜17:00             

 初めてF100号の油彩を出品しました。国画展が抽象中心であるとは知りませんでした。抽象画には些か偏見がなくもなかったのですが、国画展ともなれば、さすがに色彩も筆使いも洗練されています。
 抽象、具象に関わりなく、傾向は心象的な方向に向かっていることや、技術的な創意工夫やら…、旧態依然なことをやっていては追い付けないことがわかり、全く独習でやってきた者としては大変参考にもなり、刺激にもなりました。 

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■ 県展 ■
      
2010年8月7日(土)〜8月21日(土)       
原田の森ギャラリー       
10:00〜18:00             

 F80号の油絵「蟻とクレーン」を出品しました。毎日ジョギングの途中で見る風景です。蟻はクレーンの大きさを意識していません。そこに柱があれば登ります。もちろん触覚も働かせていますが、クレーンの頂上に甘いものは果たしてあるのでしょうか?

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■ ボストン美術館展−西洋絵画の巨匠たち−鑑賞 ■
      
2010年7月6日(火)〜8月29日(日)       
京都立美術館「ボストン美術館展−西洋絵画の巨匠たち」       
9:00〜17:00             

 古い宗教画はどれも同じようなリアルさで描かれていて個性がない。リアルに描くことが最上であった時代には、神事でさえリアルに表現しなくてはならないのは当然のことだったでしょう。
 コローの人物画やセザンヌの戸外での人物、モネの靄の中の湖面に映る木々の絵(上)は、印象派らしい色彩が美しく、ゴッホの「オーヴェールの家々」、ブラックの「桃と洋梨と葡萄のある静物」は、各々現代的な力強さと個性で圧巻でした。

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■ フランダースの光−ベルギーの美しき村を描いて−鑑賞 ■
      
2010年7月10日(土)〜8月29日(日)       
姫路市立美術館「フランダースの光−ベルギーの美しき村を描いて」       
10:00〜17:00             

 19世紀半ば、ベルギーの古都ゲントに近いラーテムという村に、画家たちが移住して、主に風景画を描いたとか。
 この展覧会の呼び物のクラウスの「ピクニック風景」や「刈草干し」は確かに美しく、写実に近い点描は明らかに印象派です。淡い光の色の表現が日本人好みなのだと納得。
 私としては、これらももちろん好きですが、1番気に入ったのは、ウースティヌという画家の「実り」(上)でした。100×98の画面いっぱいに、縦に横たわる黒衣の女性、その背景には一面に並んだ無数の熟しきらない青いりんご(まだ白いものもたくさんある)…。素晴らしい構図と表現力!私が描きたいのは、そして、描けるのはこのような絵だと思いました。自分なりのスタイルを模索中だった私にとって、神の啓示のような出会いでした。

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■ 美しき挑発 レンピッカ展鑑賞 ■
      
2010年5月18日(火)〜7月25日(日)       
兵庫県立美術館「レンピッカ展」       
10:00〜18:00             

 女優ばりの派手な生活、自信たっぷりの自己プロデュース…。当時の新しい女の代表ともいえる存在。彼女の描く人物は皆、画面いっぱいに不自然にくねったポーズをとり、鋭い眼光をまっすぐ対象に向けています。画家の主張が溢れんばかりで、強烈な個性を発散しています。人体や衣服の金属的な光沢は艶やかで官能的でさえあります。
 右の絵は、人物の多い中では異色の静物画ですが、その表現技法は人物と同じです。
 初めての鑑賞で、観る前は彼女の人柄に対する抵抗感があったのですが、作品そのものは素晴らしい。独特の世界を、その技量で表現し得ています。

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■ トリノ・エジプト展−イタリアが愛した美の遺産−鑑賞 ■
      
2010年3月20日(土)〜5月30日(日)       
神戸市立博物館       
9:30〜17:00             

 エジプトの古代遺産とイタリア北部のトリノとの関係を不思議に思っていたのですが、1900年代初頭のトリノの考古学博物館長が、展示物の充実のため、自らエジプトに発掘に行き大収穫を持ち帰ったという経緯があったのですね。
 なかなか見応えがありました。数多くのミイラの棺、副葬品、銘文、パピルス文書、ステラ(石碑)、大型彫像、レリーフ……どれも繊細で壮麗な装飾と象形文字が鏤められ、その造形は流麗で洗練されいます。紀元前1500年〜2000年に至る古代人の美へのこだわり、技術力は驚嘆します。それにしてもよく残っていたものですが、これだけのものが今日まで残されることができたのは、エジプトの乾燥した風土のためとか。
 また、残っているものがほとんど葬送物であることから、古代人の黄泉の国での再生へのこだわりが凄まじいものであったことも伺えます。

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■ 熊田千佳慕展鑑賞 ■
      
2010年4月10日(土)〜5月23日(日)       
伊丹市立美術館       
10:00〜18:00             

 これだけ緻密で鮮やかな細密画を描くには、気の遠くなるような根気を必要とするでしょう。見ていると本当に頭の下がる思い、の一言です。ただ、ユーモアや詩的趣向の施された作品以外は、図鑑以下でも以上でもないかな?と思ったり…。 <

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夢■ 光陽展入選 ■
      
2010年2月20日(土)〜2010年2月26日(金)       
上野の森美術館       
10:30〜17:00             

 東京なので、童画展同様観に行くことはできませんでしたが、会場で改めて見ると、きっと穴があったら入りたい気分になったことでしょう。とっても下手です。構図はいいかもしれないけど、技術が全然ダメです。人物を描くのは、私にはまだ10年早いと痛切に感じています。

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レダ■ ボルゲーゼ美術館展鑑賞 ■
      
2009年10月31日(土)〜2009年12月27日(日)       
京都国立近代美術館       
9:30〜17:00             

 展示作品数が意外に少なく、期待外れでした。観たかったカラバッジョも1点しかありませんでした。ただ、目玉のラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」は、さすがに美しいと感嘆しましたし、またダ・ヴィンチの「レダ」(右)も、女性の顔がとてもダ・ヴィンチらしい、と思いました。が、後者は模写だそうです。

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男鹿和雄展■ ジブリの絵職人 男鹿和雄展鑑賞 ■
      
2009年12月8日(火)〜2010年2月7日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00〜18:00             

 スタジオジブリのアニメの背景画を手がけ、美術監督もしている人だとか。背景画なので、淡い水彩の色使いで前景の登場人物を目立たせるように描かれているが、それでもとても緻密で繊細な絵が豊富に展示されていました。風景写真のように個性のない美しさ、リアルさ。      

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街
音を視る■ 現代童画展入選 ■
      
2009年11月2日(月)〜2009年11月12日(木)       
東京都美術館       
9:00〜16:30             

 初めて2点出品しました。どちらも猫を描きました。猫は私の一番身近な絵画モデルですが、古今東西猫を描いた画家は多く、もっと違った表現が出来ないかと思います。こんなに日々世話をし、遊び、接しているわけだから、もうそろそろその本質に迫った絵が描けてもいいのですが、なかなか描かせてくれません。

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yukari■ 絵が生まれるとき−洋画家たちの油彩とデッサン−鑑賞 ■
      
2009年10月29日(木)〜12月23日(水)       
神戸ゆかりの美術館       
10:00〜18:00)             

 小松益喜、西村功、川端謹次など、神戸の風景を描き続けた画家たちのデッサンと油彩画が紹介されています。技巧や出来栄えの出来不出来はともかく、神戸の街への愛着が感じられる作品ばかりでした。

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雲龍図■ 天龍寺法堂天井「雲龍図」鑑賞 ■
      
天龍寺法堂       
春秋の特別参拝に公開(土曜日・日曜日・祝日10:00〜15:30)             

 加山又造が描いているということをニュースで聴いた十数年前頃から、一度観たいと思っていたのが、随分かかって念願叶いました。
 「八方睨み」といって、どの方向から見ても自分を睨んでいるように見えるそうです。龍が輪をつくり、からまるように描いた(太極図)のは、日本では葛飾北斎が初めてだそうですが、万物が陰陽二つの気に分かたれる以前の溢れるエネルギーを渦のように描いたそうです。確かにこの加山又造の龍の天井画もそのようなエネルギーに満ちていて、畳80枚分の大きさは圧するくらいと感じたのは、天井が思ったより低くて、手が届きそうなくらいなためで、これは別の意味で些か興ざめでした。絵柄はよく見えるのですが、天井画は天にも届かんばかり高い方がいいのです。西洋の寺院の天井画なんて、吹き抜けの礼拝堂の天井のはるか高みにあります。その方が神々しくて威厳があり、有り難みも増すというものです。ましてや龍でもあることですし。

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デュフィ■ ラウル・デュフィ展鑑賞 ■
      
2009年8月29日(土)〜10月4日(日)       
美術館「えき」KYOTO       
10:00 〜20:00             

 私の最も好きな画家なのですが、これだけの量の作品を生で観るのは初めて。やっぱり素晴らしい!どこまでも透明感のある明るさ。軽やかで優雅でリズミカルな線描とパステル調の優しい色遣い。しかし初期の頃は暗い絵が多かったようで、野暮ったく魅力に乏しい。1920年頃より独特の軽やかな描線と透明感のある色彩へと変化していったようです。私の理想の絵画技法なのですが、洗練され過ぎていて、私には到底マネ出来ません。

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イタリア ボローニャ国際絵本原画展■ イタリア ボローニャ国際絵本原画展鑑賞 ■
      
2009年8月22日(土)〜9月27日(日)       
大谷美術館       
10:00 〜17:00             

 毎年大谷美術館で開催されている、この絵本原画展は以前から知っていたのですが、鑑賞したのは初めてでした。展示作品も多く皆力作で、ユニークで楽しく美しい原画の数々、見応えのある展覧会でした。
 絵本と言えば、登場するのはやはり圧倒的に猫が多いですね。入り口で出迎えてくれた大きなディスプレイに描かれた「くつやのねこ」。愛嬌はないのですが、ぶっきらぼうそうな表情と立ち姿がなんとも愛らしい。ねずみのところに注文の靴を配達に行ったはいいけれど、ねずみを食べてしまう、なんてストーリーかな?

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カルロ・ドルチ「受胎告知天使」■ ルーブル美術館展鑑賞 ■
      
2009年6月30日(火)〜9月27日(日)       
京都市美術館       
9:00 〜17:00             

  フェルメール「レースを編む女」は、ポスターにもなっており、当展覧会の目玉なのでしょうが、筆致も粗く、モデルの描写も精彩を欠いている印象でした。それよりもルーベンス「ユノに欺かれるイクシオン」や、ウテワール「アンドロメダを救うペルセウス」、フェッティ「メランコリー」などの重厚な技量に目が行ってしまいました。また、ラ・トゥール「大工ヨセフ」は、画集などでもよく目にする作品ですが、その光と影の対照、光を印象的、効果的に美しく描いているのは、画集で見たそのままでした。
 カルロ・ドルチという、私にとっては効き覚えのない画家の、「受胎告知 聖母」「受胎告知 天使」(上)の一対の作品の、慎みがあり穏やかで清楚、かつ神秘的な聖母と天使の表情に一目惚れしてしまいました。

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セント・メアリー教会南側廊窓ステンドグラス■ ウィリアム・モリス展鑑賞 ■
      
2009年4月4日(土)〜5月24日(日)       
西宮大谷記念美術館       
10:00 〜17:00             

 19世紀イギリスの思想家であり芸術家でもあったウィリアム・モリス。その理想主義的思想は宮澤賢治も影響を受けたと言われます。
 壁紙などのデザインに描かれている植物や動物は、やさしいけれど華麗な自然讃美の歌唱です。そしてバーン=ジョーンズの下絵によるステンドグラスの数々は華やかにして荘厳の極致とさえ言えます。
 モリスのステンドグラスをこんなにたくさん一度に観ることが出来るなんて(もちろん再現フィルムですが、見事に再現されています)、感激でした。

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クレー「3匹の猫」■ ピカソとクレーの生きた時代展鑑賞 ■
      
2009年4月10日(金)〜5月31日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00 〜18:00             

 現代美術が苦手な私でも、ピカソ「鏡の前の女」、クレー「リズミカルな森のラクダ」「赤いチョッキ」「赤と白の丸屋根」、シャガール「バイオリン弾き」、そしてマルコ「3匹の猫」(右)など過渡期的な作品が大好きです。色使いが楽しく、造形が洗練されていて、生き生きとしています。もうこんな絵が私にも描けたら有頂天だろうな、なんて。

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ベルギー近代の美術展チラシ■ ベルギー近代の美術展鑑賞 ■
      
2009年3月14日(土)〜4月15日(水)       
姫路市立美術館       
10:00 〜17:00             

 

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田淵俊夫「夕想 2006」■ 田淵俊夫展鑑賞 ■
      
2009年2月4日(水)〜2月9日(月)       
高島屋大阪店7階グランドホール       
10:00 〜20:00             

 京都東山の知積院の講堂襖絵完成記念に開催された展覧会で、墨の濃淡で描かれた四季の風景は、静寂ながらも力強さの感じられる大作ばかりです。画家の気迫が感じられ、地味でもこういう魂の籠もった作品を描ける画家は羨ましい、と思います。

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フランドルの画家に帰属「巻貝と二枚貝のある静物」■ ウィーン美術史美術館所蔵静物画の秘密展鑑賞 ■
      
2009年1月6日(火)〜3月29日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00 〜18:00             

 写真のなかった時代の超写実。目を見張る緻密さ、正確さです。画家の職人技満載の展覧会でした。

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コロー「ティヴォリ、ヴィラ・デステ庭園」■ コロー展鑑賞 ■
      
2008年9月13日(水)〜12月7日(日)       
神戸市立博物館       
9:30 〜17:00             

 憧れのコロー。この展覧会は、あの、軽やかで優しく繊細な筆致が生で見られるなんて、と以前から首を長くして待ち詫びていました。優しい筆致、押さえた色遣い、どの作品もため息の出るくらい美しい。中でもやはり自然の描写にはうっとりとさせられます。どうやってこの柔らかさが描けるのかと、まじまじと凝視しましたが、わかりませんでした。これは神業ですね。

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モネ「睡蓮」■ 青のコレクション展鑑賞 ■
      
2008年9月10日(水)〜12月7日(日)       
アサヒビール大山崎山荘美術館       
10:00 〜17:00             

 「青のコレクション」展では、モネの「睡蓮」数点の内の1点(右)にしか興味を覚えませんでしたが、「大山崎山荘美術館」という施設に大いに興味を覚えました。
 天王山の南麓に位置し、山々の美しい緑の中にひっそりと佇む瀟洒な洋館は、ほど遠くない街の喧噪とは別世界で、この敷地の中に居ると、暫しゆったりとした優雅な気分に浸ることができました。
 建設されたのは大正初期から昭和の初期にかけて、加賀正太郎という実業家が自ら設計したそうです。彼は実業家として成功を収め、豊富な財源を元に、建築のみならず蘭栽培の研究でも成果を上げた多才な人物だったようです。

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シャガール「街の上で」■ シャガール展鑑賞 ■
      
2008年9月6日(土)〜10月15日(水)       
兵庫県立美術館       
9:00 〜18:00             

 シャガールはあまり好きになれない画家でした。画風もですが、殊に3年前ニースを訪れたとき、世界のリゾート地の高級住宅街の高台に聳えるシャガール美術館に反発さえ覚えて、展示作品をざっと眺めただけでそそくさと美術館を後にしたものでした。       
 けれど、私の好みの幅が拡がったせいもありますが、この展覧会ではシャガールを見直した(おこがましいですが)気持ちでした。人や動物が空に横たわる発想は、以前からユニークだと思ってはいましたが、単に発想がユニークなのではなく、その丁寧に考え抜かれた構図や造形、色の置き方に感動を覚えました。とくに「街の上で」(右上)ののびやかな美しさユーモアに惚れ惚れしました。

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出品作品「春宵」■ 兵庫県展入選 ■
      
2008年8月9日(土)〜8月23日(土)       
原田の森ギャラリー       
9:00 〜17:00             

 出品作品はS50号という正方形の油絵です。一度真四角の絵を描いてみたかったのですが、やはり構図の収まりが悪く、遠近感が思うように出せませんでした。       
 これもテーマは、昨年亡くなった愛猫への鎮魂の思いです。「永遠に」とこの作品を描くことによって、愛猫への哀惜の感情がようやく昇華されました。

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出品作品「永遠に」■ 昭和美術会展入選 ■
      
2008年7月8日(火)〜7月13日(日)       
京都市美術館       
9:00 〜17:00             

 京都を拠点とする全国公募による絵画の総合美術展。       
 初めての100号油絵を出品しました。昨年他界した愛猫への鎮魂の思いを込めて描いた作品で、昨年秋頃から少しずつ描いていました。

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ペルセポリス■ 映画「ペルセポリス」 鑑賞 ■
      
2008年1月       
ペルセポリス公式サイト              

 1970年〜90年代の激動のイランを舞台に、監督自身の少女期から青年期にかけての自伝的アニメ。       
 革命〜革命後のイスラム社会の厳格で不自由な環境と、留学先のパリでの自由で奔放な社会の中との両方を体験する中で、どちらにも自分の居場所を見い出せず、ぶつかり挫折しながらも精一杯生きようとするひとりの女性のありのままの生き様が、モノトーンで素朴なタッチの絵で描かれています。       
 監督自身が描いたその画風は、素朴ですが丁寧で、不安や悲しみ、そして力強さがダイレクトに伝わってきます。       
 カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したそうですが、単なるアニメではない、社会性と芸術性を併せ持った素晴らしい作品だと思いました。

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「銀河鉄道の夜」■ プラネタリウムCG「銀河鉄道の夜」 鑑賞 ■
      
2007年7月3日(火)〜2007年9月30日(日)       
神戸市立青少年科学館       
17:50 〜19:00       

 プラネタリウムのドームいっぱいに広がる銀河鉄道の星座めぐりの旅の映像は、その迫力と美しさで感動的な作品に仕上がっています。「銀河鉄道の夜」に対する作者の深い思い入れが、画面の端々にまで感じられ、丁寧に情熱を持って作られているのが伝わってきます。       
 宮沢賢治が花巻で見上げた夏の夜空は、まさにこのように神秘的で美しく、賢治の想像力は自在に羽ばたいたのでしょう。

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出品作品「初霜」■ 越後湯沢全国童画展入選 ■
      
2007年3月3日(土)〜2007年3月12日(月)       
湯沢町公民館ホール       
10:00 〜22:00       

 「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった。」という川端康成の「雪国」の冒頭の一文で有名なこの町で、全国童画展が毎年開催されているなんて昨年暮れまで全く知りませんでした。       
 出品作は、ある朝突然に山々が霜で白く覆われた姿に、毎年のことながら驚く白狐を描いた作品です。未だ訪れたことがないこの町に、いつか必ず行ってみたいと願って作品は寄贈させていただきました。町と作品に会いに行ける日が楽しみです。

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出品作品「奏」■ しんわ美術展入選 ■
      
2006年11月3日(金)〜2006年11月12日(日)       
津山市文化展示ホール(アルネ津山4F)       
10:00 〜18:30       

 出品作は孔雀の羽を重なり合わせて色彩のオーケストラを奏でたかったのですが、力不足のため拡がりも奥行きもなく、試み半ばの未完成作となってしまいました。

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フェリックス・ヴァロットン「ボール」■ オルセー美術館展鑑賞 ■
      
2006年9月29日(金)〜2007年1月8日(月)       
神戸市立博物館       
10:00 〜18:00       

 印象派の画家の作品が数多く収蔵されていることで有名なオルセー美術館ですが、今回目にとまった作品はナビ派の画家ヴァロットンの「ボール」でした。光と陰のコントラストが鮮明で、印象派の色彩に比べれば単純で、構図も大胆ですっきりとしています。日だまりでボールを追う少女を俯瞰的に描き、木立の遙か向こうには少女の両親と思しき二人の白い立ち姿が小さく浮かび上がって見えます。色彩もテーマも明るく暖かいのですが、空間の有り様がどことなく不安感を誘います。少女が追いかけている赤いボールは異次元への誘いのように感じるのは私だけでしょうか。

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「日本の自然を描く展」案内はがき 出品作品「石段」■ 上野の森美術館「日本の自然を描く展」入選 ■
      
西日本展(兵庫県立美術館原田の森ギャラリー)
2006年9月21日(木)〜2006年9月24日(日)       
上野の森美術館       
10:00 〜18:00

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「小さなユートピア」展案内はがき       
出品作品「赤いシャッポ」■ ホワイトキューブ「小さなユートピア」展出品 ■
      
2006年9月4日(日)〜2006年9月9日(日)       
ホワイトキューブPB       
11:00 〜19:00

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石阪春生「女のいる風景(時計)」■ 石阪春生展鑑賞 ■
      
2006年5月20日(土)〜2006年7月30日(日)       
小磯記念美術館       
10:00 〜17:00       

 神戸に住んでいると、その作品を割と目にする機会の多い画家ですが、今回はこれでもか、というくらい石阪春生を鑑賞できました。大学生の頃アルバイトをしていたカフェの外壁にこの作家の壁画が描かれていました。この壁画が気に入って応募した記憶があります。
 色調とモチーフに西洋中世の雰囲気が濃密に漂い、華麗でアンニュイな女性(多くは横顔)が、ほぼ画面いっぱいに描かれています。女性に重なるように纏い付くように配置されたオブジェ群の織り成す光景が渇いた風景のようです。100号以上の画布に何枚も、これでもかこれでもかと同じような画面が展開されていました。描いていて飽きないのかな、なんて単純な疑問を感じてしまいましたが、好きなモチーフは何度でも繰り返し描いても飽きることはなかったのでしょう。画家の執念のようなものさえ感じてしまいました。

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藤田嗣治「夢」■ 藤田嗣治展鑑賞 ■
      
2006年5月30日(火)〜2006年7月23日(日)       
京都国立近代美術館       
9:30 〜17:00       

 「乳白色の肌」は是非肉眼で見てみたい、とかねてより切望していました。想像に違わずその肌の輝きは素晴らしいものでした。透き通り、滑らかで、指で押すとしんなり、しっとりした弾力で窪みそうです。画布の下地に薬品を混合させた絵具を塗布したとか聞いたことがありますが、確かに藤田の絵は油絵具を塗り重ねるというよりは、薄く、あるいは細く、幾重にも削り落としていくといった感じがしました。
 自画像、あるいはアトリエを描いた作品の中で、筆立てに挿されている筆はどれも日本画の面相筆でした。あの繊細な筆で、重厚な油絵具を操るのは相当な技量かと感服するばかりです。しかも喧伝された奇行や、奇抜な風貌からはちょっと結びつき難い優美でしなやかな色合いと線描に、改めてこの作家の力量を見せ付けられました。
 原色で描かれたダイナミックで力強い南米での作品や、重く暗い色調の戦争画などは、全く趣を異にしていますが、やはりそれらも藤田の真骨頂を見るに足る非常に見ごたえのある作品群で、確かな力量がそこにも感じられました。
 晩年に多く描いた子供たちの絵は、ずるそうで底意のありそうな子供たちの表情が何ともいえない妖しい雰囲気ですが、画家の子供たちへ溢れる愛情も伝わってきます。

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■ 鴨居玲展鑑賞 ■
      
2006年1月28日(土)〜2006年3月26日(日)       
神戸市立小磯記念美術館       
10:00 〜17:00       

 
 生活と創作の拠点が神戸だった地元ゆかりの画家ですが、これまで名前しか知らず作品に触れる機会がありませんでした。自宅よりすぐ近くの小磯記念美術館で開催されていると聞いて、いそいそ出かけました。
 さすがに安井賞受賞画家らしい独創的な作風でした。ただし、ある時期までは。「祈り」「月と小人」などは、訴える力も強く斬新さもケレン味がなく、個人的にも好感の持てる出来栄えですが、次第に才能が枯渇していくような、これ見よがしな作品が多くなり、観るに忍びないような暗い気分になりました。

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加山又造「牡丹」■ 加山又造展鑑賞 ■
      
2006年3月8日(水)〜2006年3月20日(月)       
大丸ミュージアムKOBE       
10:00 〜19:00       

 会場に入ってすぐに展示されている、15歳で描いた「狐」の絵に先ず驚きました。「うーん」って唸ってしまいました。さらに続くキュビズムの手法で表現された作品群にも圧倒されました。草や波などを表現する縞模様に、決して妥協しない強い意志を感じました。計算された構成美を背景にデフォルメされた動物たちの優美な姿態、私としては眼からうろこの衝撃でした。
 全ての作品の繊細かつ大胆な技量にも脱帽です。構図は大胆なのに、技法はどこまでも繊細で、どの絵も、画面の隅々まで神経が行き届いています。どこまでものびやかで正確な筆致は、画面のどこをしげしげ見ても油断がありません。判子で押したように整然と散りばめられた花びらも、よく見るとどれも少しずつ違います。やはりどの作品にも、幼い頃より見慣れた生家の西陣織の様式美、伝統が息づいているように感じられました。
 「おぼろ」「凍れる月光」「華扇屏風」など、どれも幅2m以上の屏風絵ですが、その画面を支配する気迫と華麗さに引き込まれます。中でも「牡丹」(上)には思わず見入ってしまいました。誇張した表現の黒と白の花弁が、揺蕩うように咲き乱れ、妖艶さを競っているかのようです。

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デルヴォー「海は近い」■ デルヴォーとマグリット鑑賞 ■
      
2006年1月28日(土)〜2006年3月26日(日)       
姫路市立美術館       
10:00 〜17:00       

 デルヴォーとマグリットは共にベルギーの画家で、年齢も1歳しか違わず(デルヴォーは97歳まで生きましたが、マグリットは69歳で亡くなっています)、同じ時期にアカデミーに通っていたそうです。デルヴォーの作品の神秘的な妖艶さと、マグリットの作品の明晰な不条理は、どちらも見る者を不思議な気持ちにさせます。決して現実には有り得ない世界に、私は引きずり込まれたい欲望を抑えきれなくなるほどです。けれどもどちらの作品も、私にそのような欲望を抱かせながら、画布の表面できっぱり私を拒絶するのです。それはどちらも遥かな夢の桃源郷で、「おまえにはこの世界のからくりは見せられないんだよ」とせせら笑っているようです。それほどに私には魅力的ですが、遠い世界です。ああ、悔しい。
 デルヴォーの「海は近い」(上)を、画布に触れんばかりの至近距離で舐めるように観察させていただきました。思わせぶりにそこかしこに佇んだり、ベッドに横になっている美女たちはともかく、待合室のように開けっ広げであったり、奥行きのほとんどない薄っぺらな家々や、光の射し方−方向とその強弱、影の出来具合・伸びる方向など、見れば見るほど不可解で興味が湧きます。恐らくほとんど意味はないのだと思います。ただ、画面左寄りの後姿の美女が、まっすぐ向こう(画面の奥の方)を見、その方向に歩んで行こうとしている先には画題にしているように、確かに海があるのです。それこそが唯一のテーマなのだと、私は思います。

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ピーテル・デ・ホーホ「子供の髪から虱を取っている母親のいる室内」■ オランダ絵画の黄金時代−アムステルダム国立美術館展鑑賞 ■
      
2005年10月25日(火)〜2006年1月15日(日)       
兵庫県立美術館       
10:00 〜18:00       

 オランダといえば、昨今大人気のフェルメール。ということで、この展覧会も目玉はフェルメールの作品「恋文」でした。たしかにフェルメール独特の構成美、光の扱い方はさすがと思われましたが、どうもモデルの表情が魅力に欠けるのでしょうか?いまいち人気がありませんね。
 それよりも一等目を引いたのはピーテル・デ・ホーホの「子供の髪から虱を取っている母親のいる室」(右)でした。殺風景なまでにすっきり片付いた室内の茶色、奥の窓から差し込む柔らかな陽射しの色、その陽の射す方向を向いてじっと座り込んだ犬の黒いシルエット、そして薄暗い室内に浮かび上がる母親の上衣の鮮やかな赤…それらの色使いが清潔感を漂わせ、裕福ではないけれど射し込む光の清清しさや、升目にきっちり描かれたタイル模様に、真面目で慎ましい庶民の暮し振りが表現されています。

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キリコ「ユリシーズの帰還」■ 巨匠 デ・キリコ展鑑賞 ■
      
2005年9月14日(水)〜10月2日(日)       
大丸梅田店・大丸ミュージアム       
10:00 〜19:30       

 キリコの絵画を見るのは2度目です。前回もやはり梅田大丸ミュージアムでした。前回は、初期の「イタリア広場」シリーズが中心だったと記憶していますが、今回は後期の作品が数多く、図版などでも見たことのない作品がたくさんありました。卵形の器械顔の人物がこれでもかこれでもか、と繰り返し描かれていますが、それがとてもクールでシャープで、つまりそれほど計算された色と線で構成されていると感じました。
 キリコの作品の世界は孤独感に溢れています。彼の作品の前に立つと、静謐な不安、緊張した安息、解放された恐怖、見慣れない親しみ、等々の幻惑を抱くのですが、これが形而上というものでしょうか。例えば「ユリシーズの帰還」(上)。明るく整然とした室内、家具もかわいらしくそれぞれの場に納まり、ユリシーズの漕ぐ船が浮かぶ大海原は絨毯となって床一杯に広がっています。しかし部屋の遠近法はわざと部分的に不正確に用いられ、左右に配置された椅子は全く対照的な風体です。船の進もうとしている先には、半開きに開けられた扉があってそこから不安げな闇が覗いています。見る者に安らぎと不安という相反する感情を同時に抱かせ、そのせめぎ合いの緊張感が底知れない快感へと誘うのです。

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クールベ「シヨン城」■ クールベ美術館展鑑賞 ■
      
2005年9月15日(木)〜9月27日(火)       
大丸京都店・大丸ミュージアム       
10:00 〜18:00       

 クールベの重厚で写実的な絵画を、生で初めて鑑賞しました。どの絵も(特に風景画)色といい構図といい沈着静謐な印象で、特に「シヨン城」(上)は期待に適う美しさでした。
 知らなかったのですが、クールベって意外と反骨精神旺盛な方だったようで、当時の古典絵画に対して彼のリアリスムで果敢に挑戦し続けたり、パリ・コミューンに参加して投獄され、ナポレオンの記念碑を破壊した首謀者として、スイスへ亡命してからもその賠償金の返済に追われ続けていたそうです。もっともその時は画家としては大成し、多くの弟子達に描かせた絵を「クールベと○○」という作者名で売り、その代金を返済に充てていたようです。 

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モロー「ヘロデ王の前で踊るサロメ」モロー「ナイル川に捨てられたモーセ」■ 詩と幻想の画家〜
ギュスターヴ・モロー展鑑賞 ■

      
2005年6月7日(火)〜7月31日(日)       
神戸市立博物館       
10:00 〜18:00       

 待望のモロー展。実物を見るのは初めてです。もうずっと前からわくわくしていました。今回の美術展は、モローのアトリエだった自宅をそのまま美術館にしたモロー美術館の全面的な協力により開催されたと聞いていたので、とても期待していたのですが、残念ながら多くの見たいと思っていた作品は展示されていませんでした。例えば「ナイル川に捨てられらたモーセ」(上左)や「ヘロデ王の前で踊るサロメ」(上右)。モローのアトリエには膨大な数の作品が残っていたそうですが、個人や他の美術館の手に渡った作品も多く、上の2点も前者はアメリカ、フォッグ美術館に、後者はロサンジェルス、アーマンド・ハマー・コレクションとなっています。
 で、今回の展示作品は習作が多いようでした。モローは作品を制作するにあたって何枚ものスケッチや習作を描いていました。アトリエに夥しく残されていた作品の多くは、そんなスケッチや習作だったのでしょう。
 しかし「岩の上のサッフォー」や「出現」のようなモロー独特のきらびやかな水彩画−ユイスマンスが『さかしま』の中で、「いかなる時代においても、水彩画がこれほど絢爛たる華やかさに達したことはないのであった。…織物や肉体の豪奢をこれほど奇蹟的に、これほど眩惑的に誇示したこともない」(渋沢龍彦訳)と讃美した水彩画を目の当たりにできました。水彩特有の繊細さや軽やかさと油絵のような濃厚さや華やかさが重なり合い、零れんばかりの神秘的な舞台表現となっています。   

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ゴッホ「ミリエの肖像」■ ゴッホ展
〜孤高の画家の原風景〜鑑賞 ■

      
2005年5月31日(火)〜7月18日(月)       
国立国際美術館       
10:00 〜17:00       

 ゴッホの作品は、何回かの美術展で数点ずつ鑑賞したことがありますが、今回特に目を惹いたのは「ミリエの肖像」(上)でした。粗いタッチですが、実に丁寧に色が塗り重ねられているのがよくわかります。ゴッホの絵は初期から晩年まで、タッチや色遣いに関しては変化が顕著ですが、きめ細やかな心遣いは終始一貫しています。 
 今回の展覧会は、ゴッホが模写した浮世絵やミレーの版画、ゴッホが影響を受けたドービニーなどの風景画や、当時刊行されていたゴッホの愛読書と同じ書物の展示などもあり、多角的にゴッホを識るための多く資料が展示されていました。
 それにしてもゴッホの絵の大きな魅力である絵の具の厚塗りは、実物でなければ味わえない迫力で、彫刻ではないかとさえ見紛いそうです。
 会場となっている国立国際美術館は大阪の中心部、中之島にあり、「完全地下型の美術館」として新築されたそうですが、地上部の硝子張りの建物から地下3階にエスカレーターで降りて行く入場口はルーブル美術館を模したのでしょうか。今回初めて訪れましたが、広々として開放的な美術館でした。

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高槻のぶ子「セロ弾きのゴーシュ」■ 高槻のぶ子展
〜静けさの中にひそむ気配〜鑑賞 ■

      
2005年5月25日(水)〜5月31日(火)       
丸善なんばOCATギャラリー       
11:00 〜20:00       

 水彩画から最近は専ら水墨画を描き続けているという彼女は私の知人で、最終日に駆け込んだ会場でお会いすることができました。墨の自在さ、表現手段としての奥深さを語ってくれました。作品を眺めながら、ためらいのない筆さばきに墨の潔さと怖さを感じました。

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村上華岳「観世音菩薩図像」■ 村上華岳展鑑賞 ■
      
2005年4月12日(火)〜5月22日(日)       
京都国立近代美術館       
9:00 〜17:00       

 圧倒的に数多い「観音図」(右図:「観世音菩薩図像」)は皆品があり、祈りの静かな息遣いが伝わってきます。中でもその原型ともいえる「裸婦図」は圧巻です。中央の人物とその横に描かれた蓮の花葉を形作る線描は繊細で伸びやかです。そのため絵全体が優美で気高く、また同時に官能的でもあるという幻想的な妖しさを漂わせています。ただし、これらに比して背景の粗雑さにちぐはくな印象を感じてしまいました。この絵の背景のようなとても拙劣としか思われないような風景画、南画、水墨画が数多くあって、それらには正直がっかりでした。

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葛飾北斎「鮭とねずみ図」■ 葛飾北斎展鑑賞 ■
      
2005年4月2日(土)〜5月8日(日)       
姫路市立美術館       
9:00 〜17:00       

 津和野にある葛飾北斎美術館の所蔵作品と欧米からの帰国作品併せて200余点が展示されていましたが、北斎の多彩な天才振りに改めて感動しました。90才まで生き、その前年に制作した最後の作品など、とても89才の手になるものとは思われない緻密さで描かれています。若い頃から最晩年に至るまで、常に保たれていた創作意欲と技量と独創性に感服。右の絵は肉筆画ですが、このような繊細で鮮やかで、対象物の奇妙な取り合わせが面白い肉筆画もたくさん展示されていました。

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フリードリヒ「月を眺める2人の男」■ ドレスデン国立美術館展鑑賞 ■
      
2005年3月8日(火)〜5月22日(日)       
兵庫県立美術館       
9:00 〜17:00       

 1999年から2000年にかけ、日本を幅広く紹介する行事「ドイツにおける日本年」がドイツで開催され各地で好評を博し、ドイツがこれに呼応する形で「日本におけるドイツ年2005/2006」を開催する運びとなり、この展覧会もその一環だそうです。
 16世紀以来収集されたというこの美術館のコレクションは、今回の展示はその一部であるとはいえ、測量機器から地球儀、天球儀、絵画、刀剣、宝飾品、陶磁器全てが多彩であり、華麗で重厚でした。また展覧会の目玉ともなっているレンブラントの「ガニュメデスの誘拐」やフェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」も見応えのある大作で、特に私がその特異な美しさに感動したのはフリードリヒの「月を眺める2人の男」(上)でした。

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■ フィレンツェ−芸術都市の誕生展鑑賞 ■
      
2005年1月29日(土)〜4月10日(日)       
京都市美術館       
9:00 〜17:00       

 14世紀から18世紀にかけて商業と銀行業で多大な富と権力を得たメディチ家の繁栄により、豊かに花開いたフィレンツェの芸術。今回の展覧会は「フレスコ画・板絵・カンヴァス画などの絵画、レリーフ・木彫・貴石作品などを含む彫刻、貴金属・ブロンズなどを含む金工作品、写本・細密画、織布作品、科学発明品など、100余点の出品」とのことですが、ちょっと物足らない内容でした。フィレンツェといえば、ウフィツィ美術館を初め世界有数の美術館があり、また「屋根のない美術館」と称されるように、町そのものが芸術作品でもあるような都市です。展覧会のタイトルとは裏腹に貧弱な内容だったとの印象を持ったのは私だけでしょうか?      
スケッジャ「アディマーリ家のカッソーネ」

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サイフェ「野菜市場」■ 栄光のオランダ・フランドル絵画展鑑賞 ■
      
2004年7月17日(土)〜10月11日(月・祝)       
神戸市立博物館       
9:00 〜17:00       

 この展覧会の目玉はもちろんフェルメールの「画家のアトリエ」だが、むしろ他の16〜17世紀の絵画の中に意外と現代的で斬新な絵画を見つけました。
 例えばサイフェ(父)の「野菜市場(7月と8月の寓意)」(上)は、真夏の日射しの陰影を強調して、主役である野菜はもちろん全ての物がくっきりと鮮やかに描き出されています。当時では、今で言う「ヘタウマ」だったかもしれないと思わせるほどの不自然な印象です。そして、陽の当たる明るい野菜市場の店先とは裏腹に、店の奥の真暗闇の中にまっ黒な衣装の人物が俯いて立っているのが、この絵の明るい主題と対比され、何か不吉な雰囲気がそこに凝縮されています。
 またボルフ「林檎の皮をむく女性」も、母親らしき女性の顔を覗き込む愛らしい少女の表情と、対照的な沈痛な面持ちの母親らしい女性の表情が不思議な印象を与える絵でした。
 フェルメールの「画家のアトリエ」は想像していたより地味で暗い絵でした。と、感じたのは、展示室の照明があまりに暗かったせいかもしれません。この絵は1点だけ別室に展示されていたのですが、その部屋の照明の暗さは特別でした。絵画の保護のためとはいえ、暗過ぎです。ところで、この作品の画面の主役はあきらかに画家自身ですね。

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東山魁偉 「緑映」■ 東山魁夷展〜ひとすじの道〜鑑賞 ■
      
2004年4月3日(火)〜5月23日(日)       
兵庫県立美術館       
9:00 〜17:00       

 昨年唐招提寺を訪れたときに、夕立の予兆の薄暗がりの中で障壁画を観ましたが、それ以外実物を観る機会は今回が初めてです。写真で馴染みの作品も、実物は随分表情が違っていました。画肌に対する丁寧な工夫をまじまじと観察してきました。

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クノップフ 「天上画」■ 魅惑のベルギー美術展鑑賞 ■
      
2004年1月6日(火)〜3月28日(日)       
姫路市立美術館       
9:00 〜17:00       

 当館のベルギー・コレクションは今まで何度か観ましたが、今回は大原美術館所蔵作品を加え、クノップフやデルビル、デルヴォー、マグリットなどベルギー美術を特徴付ける象徴主義の作品の数々を観ることができました。クノップフの、結局天井に飾られることのなかった淡い色調の天井画など、珍しい作品もありました(右)。

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「ゴヤ4大連作版画展」パンフ■ ゴヤ4大連作版画展鑑賞 ■
      
2004年11月8日(土)〜12月23日(火)       
姫路市立美術館       
9:00 〜17:00       

 「気まぐれ」「戦争の惨禍」「闘牛技」「妄」の各版画集計約300枚を展示。今まで姫路美術館所蔵は「気まぐれ」のみ第9版で、他は全て初版だったそうですが、新たに「気まぐれ」の初版を所蔵することとなり、今回の一挙展示の運びとなったとか。「気まぐれ」は初版と第9版とを並べての比較展示で、色、鮮明さの相違が一目瞭然でした。
 それにしてもゴヤの偉業にはあらためて感嘆させられました。エッチングやアクアチント、メゾチントなどの技法を駆使し、繊細かつ力強い描線で、人間や牛の動きのある姿態を描いています。死体でさえ、たった今まで生きていたかのように生々しく、闘牛の臨場感には圧倒させられました。

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■ 宮沢賢治展 ■

2003年11月22日(土)〜11月30日(日)
新神戸オリエンタルアートアベニュー2F
      「ギルド&アンティーク スクエア」内
画廊:ギャラリー セカンド グレイス
         平日      11:00〜21:00
         土・日・祝日 10:00〜21:00

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「カレル・ゼマン レトロスペクティヴ」 ポスター■「カレル・ゼマン レトロスペクティヴ」鑑賞 ■

2003年11月22日(土)〜11月26日(水)
毎日13:30〜21:30頃
神戸アートヴィレッジ

 チェコの映像作家 カレル・ゼマンの映画を観ました。今回、7日にわたって上映されたのは短編長編合わせて13編。その中で私が観たのは、「盗まれた飛行船」(1966年製作)と「水玉の幻想」(1948年製作)、「ホンジークとマジェンカ」(1980年製作)の3作。
 実写と切り紙アニメや人形アニメとの合成を駆使したおもちゃ箱をひっくり返したような愉快さ、少年の心のままのファンタジーと奇想天外なストーリー展開の「盗まれた飛行船」。チェコの代表的工芸品、ガラス細工を巧みに動かし、透明で繊細な幻想の世界を美しく表現した「水玉の幻想」。民話を元に、哀愁を漂わせる美しい切り絵と澄んだ音楽で描かれた愛と冒険のアニメ、「ホンジークとマジェンカ」。それぞれ趣きが異なりながら、どれも素晴らしく、その映像的センスに心酔しました。

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